日々霜

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クレヨンしんちゃん映画番付2021年夏の陣 前編(ワースト~微妙)

クレヨンしんちゃん」が好きです。

と言いつつ、いつからか、毎年放映される映画を、気付いたら追わなくなってしまったんですよね。でも最近では配信サービスが充実していて、家で好きなときにクレしん映画が見られる。この良い時代にあやかって、ここ一ヶ月で一気に、クレしん映画を観たものも観てないものもあらためて見漁りました。

良い機会だなと思うので、アクション仮面VSハイグレ魔王〜新婚旅行ハリケーンまでの27作品(ラクガキングダムは配信がまだされていないので除外)を、独断と偏見で評価して勝手にブログにまとめる、チキチキ クレしん映画番付2021年夏の陣を開催します。

 

 

まず先に言うと、順位はつけられませんでした。

もともと順位をつけるのは苦手なのです。クレしん映画に関しては不動の一位はあるんだけど、それ以外を並び替えるのもなかなかしんどそうなので、ワースト、微妙、普通、良い、ベスト と言う感じで分けていくことにします。

 

次に評価の仕方についてですが、私は当然ながら名の知れた評論家でもなければなんでもないので、もちろん主観を大事にします。そして主観を大事にした結果、懐古厨なのがどうしても否めず、思い出補正を考慮してしまいます。そのため、初期、特に2008年(クレしん映画を追うのを辞めた年)以前の作品については多分甘いです。

 

一応各作品ごとにぶつぶつ語ります。

自分基準で、本編を楽しむ上で伏せた方が良いと思われる情報とかは多少考慮しますが、あらすじ、映画全体の雰囲気、セリフ諸々触れるところは触れるので、ネタバレ知りたくないって人は読まないでください。

 

 

そんな感じで始めます。早速ですが今回は、「ワースト、微妙」にカテゴライズした悲しき作品を8つ紹介します

正直な言葉で、批判メインに綴っています、すみません。私の独断と偏見による個人の意見です。作品は悪くないのだ、私にとって悪いというだけで。

 

 

ワースト(最下位)な一作

 
クレヨンしんちゃん
嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス

最下位な理由は、ストーリー、キャラクターや諸々のデザイン、家族の関係云々全てに納得がいかなかった一作だからです。クレしん映画じゃなくて良くないか、っていう感想が後で他の作品ででてくるんですが、一方でこちらは、クレしん映画じゃなくてもいいだろうし、そもそも一本の作品として大丈夫か? というタイプのやつだった。

例えば、この映画は一応ひまわりとしんのすけの兄妹愛がメインテーマかと思うんだけど、その取り扱い方がやたら乱暴。冒頭では話のきっかけ作りとしてしんのすけとひまわりが喧嘩するんだけど、そもそもしんのすけとひまわり、あんな喧嘩するか? というところから疑問で、それに対するひろしとみさえの対応もなーんか、なーんか、クレしんってこんなんか? こんなんでええんか? と勝手にもやもやしてしまって、ずるずると良くわかんない無駄なミュージカル見て、悪役に不快感もあって、と何も褒めるところが無いまま、そこにトドメでしんのすけが政治家の会見開いてるみたいな描写があって、ついにキレた(アニメ映画を見てキレるいい歳した女)。

しんちゃんが現代の本質を切ったり、間接的に触れたりするのはむしろ評価したり、感心したりすることもあるんだけど、これに関しては持ち込み方があまりにも安易だったのでキレた。しんのすけを利用して何かを伝えたいなら、演出というオブラートで丁寧に包みやがれ

 

キレたついでに余談だけど、数年前に、しんちゃんを使った夏休みの広告があった。「母ちゃんの夏休みはいつなんだろう」とか、しんのすけが考えているみたいな内容のやつ。ネットで「感動」「泣いた」とか言われてたけど私はあれにもキレてた(下記はキレてた当時のツイート)。

 

 

私は基本的に、クレしんで下手なメタファーをやられるとキレるんだな、というのがよくわかった一本だった。

 

ここで言っておくと、ワースト、どうやって決めるか悩んでました。というのも、宇宙のプリンセスって結構書くことが浮かんでくるタイプのやつで、逆に、そんなに書くことが浮かばない・記憶に残らないタイプのやつもあったので、どっちを下にすべきなのかなあと。今回は、「嫌悪」の感情がはっきりと出てしまったこちらを選びました。

 

微妙な七作

 

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ黄金のスパイ大作戦

なんで微妙なのか、という理由を端的に説明すると、この映画の主人公がどう考えてもしんちゃんじゃないからです。

しんちゃんをスパイに誘う映画オリジナルキャラ・レモンちゃんと言う女の子が出てくるんだけど、この子が明らかに主人公。

アクションもこの子。しんのすけをうまいこと動かすのもこの子。終盤もずっと大体メインはこの子。

なんかもう、レモンちゃん主役でアニメ映画作ればよくねーか!? と、観ながらずっとモヤモヤしてしまうのでこの位置になりました。

スパイ大作戦ってタイトルからは、しんちゃんがスパイとして大活躍してるのをイメージしてしまったので、失敗ばっかり、体力もレモンちゃんに負ける、やたら騙されまくる、みたいな格好悪いしんちゃんを見て残念でした。後単純に話がひたすらオナラで引っ張ってるのだけクレしんっぽいので、レモンちゃんというクレしんっぽくないキャラとの温度差でより底冷えしたのもある。芋羊羹はうまそう。

 

クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ 金矛の勇者

ダークファンタジー的な雰囲気、重み、しんのすけ以外の皆が段々と変わっていってしまう様など、謎がどんどん深まっていく感じは嫌いじゃない。ただ、それがうまく消化されていかないから、全体的な間の悪さ、退屈感が目立つ。なかなか展開しない、ずっと同じような雰囲気が続く。途中でしんのすけが騙されてやっと起承転結の「転」あたりが来るんだけど、引っ張った割には折線グラフの上がり方としてはどうにも足りない気がする。

私がクレしん映画を積極的に観なくなったきっかけの一本でもあるので、この位置。悪者の目的とか、不気味さとか、要素だけは面白くなりそうな雰囲気があっただけに残念。うーん。起承転結が薄い分、ヒロインポジションも結局なんでしんのすけがやたら彼女を気に入ったのかよくわからず、ラブ展開についていけないまま終わった。

 

クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶブリブリ 3分ポッキリ

何回みてもストーリーが頭に内容が入ってこないので、なんか本当に3分で終わらせても良いのでは? と思っちゃう映画。

でも本筋や怪獣退治はともかく、日常パートである冒頭の野原家の朝の光景(SNSでもバズったあれ)は凄く良くて、そこは印象的。私、みさえと気付いたら同い年になっていたわけなんですが、二児の母・みさえ凄いよという気持ちと、野原一家の「家族」っぷりが脳に直接注ぎ込まれる感じは嫌いになれない。でも総合するとやっぱ何やってたか忘れるし、みさえとひろしがダメになっていってしんのすけが家族を支えるくだりというのは、クレしん映画に不動の一位(後編で紹介)があるからどうしてもちょっと見劣りしてしまう。あ、EDの怪獣紹介も好きです。もっと映画自体が好きだったら、より良いEDに映っていたかも知れない。微妙カテゴリの中では最も普通寄りの微妙に位置付け。

 

クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ 踊れ!アミーゴ!

前半だけなら「良い」に入るレベルのクレしん映画きってのホラー作品。ホラーっぷりが突き抜けていて、ホラー大好き故にめちゃくちゃ期待していた分、後半でアミーゴ要素が強まってから一気に評価がダウンするめちゃくちゃ勿体無い一本。

クレヨンしんちゃんなんだからギャグにしないと、という考えのもとでホラーとおふざけのバランスを調整した結果、一番悪い出目を引いてしまったみたいな感じがある。前半のあの雰囲気で是非もう一本作ってほしい。

 

クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリ

メインキャラ・シリリ(宇宙人の子ども)のことをなんかあんまり愛せないまま進んでしまったのが主な原因。なんかこのおしりみたいな生き物、やたら騒がしいな〜、とずっと思うばかりで、頑張れ!とか、かわいそう!とか寄り添うことができなかった。

悪役の思想や考え方には割と説得力があって良いなと思う反面、割とすぐに崩れてしまうところ、もう少し苦労してもよかったのかなという印象。そしてラストがなんともスッキリしないまま終わる。

後、25周年記念で、映画本編内にこれまでの映画のゲストキャラやモチーフが大盤振る舞いされている。正直そこばかり気になってしまって本編に集中できなかったのもあるのかも。おまけ要素が本番になっている一本である。

 

クレヨンしんちゃん オタケベ!カスカベ野生王国
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!

まとめてしまったのはどちらもそんなに書くことが浮かばなかったから。

野原一家の家族愛で感動表現しようとして失敗した例×2かなと思っている。ストーリーや展開についていけないままて感動シーンが来ても、どうしても心が動かない。捻くれ過ぎている自覚はある。野生王国はみさえが心を取り戻すシーンがやりたかったのかな、と思うんだけどなんだか狙い過ぎな気がしてしまったし、ケツだけ爆弾はシロメインで、シロへの愛は良いなあと思いつつもどうしてもシロを犠牲に地球を救うかシロを犠牲にするか云々の展開が飛び過ぎてて、とって付けた感凄い。野原一家のことが大好きなのだけど、そんな野原一家がやり遂げたいこと、に納得がいかないのやはり辛い。そして野生王国は、えーと、なんだっけ。いや本当、みさえのシーンしか覚えてない。エコとエゴをかけてるんだっけ。夫婦喧嘩なんだっけ。本当につい最近見たはずなのに記憶がない。

 

 

以上、まずはワーストと微妙の8本についてでした。

次回は普通、良い、ベストの発表になるでしょうか。

正直、ベストや良いにカテゴライズされる昔の作品については、語るべきことが逆に見つからず、「良い」「面白い」ばかり語彙力ゼロで連呼してる可能性がありますが悪しからず。

 

そのうち後編書きます、以上。