日々霜

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今更「SEKIROがめっちゃ面白い」というだけの記事

SEKIROをクリアした。

www.sekiro.jp

 

発売から大分遅れてのクリアなので、世間的には今更だけど純粋に感想を簡単に綴りたい。

 

ということでいきなりですが、このゲームめっっちゃ面白くないですか?

今更なのはわかってるんだけど、めっちゃ面白くないですか?

さらに言うならゲームアワード受賞してるゲームに何言ってんだって感じだけど、いやマジで面白くないですか?

 

などなど、松阪牛食べて、この肉うまくないですか?って言ってるようなもんだとはわかっているんだけど、だとしても繰り返し叫びたくなる。そのくらい、SEKIRO、めっちゃ面白いゲームだった。

 

そもそもSEKIRO、自分でプレイするつもりはなかった。
発売前から気になってはいた。なぜならフロムソフトウェアのゲームだから。
でもやるのを諦めていた。なぜならフロムソフトウェアのゲームだから。

 

と主張だけみると単純なんですけど、少々補足すると、私はゲームは大好きだけど、プレイスキルがほんっとなくて、元々アクションは大苦手。

そんな私と、無縁と思われるフロムソフトウェアをつなげたのは、PS4でトロコン数現在約90の頭のおかしいフロム脳幼馴染(読んで字の如く)。
彼からは「フロムはいいぞいいぞ」と言われ続けていたんだけど、言われ続ける度に「でも、難しいんでしょう?」と避けていた。
それが、PSNのフリープレイでブラッドボーンが来て、「フリプだしとにかくやれ」と言われて「まあフリーだし」と安易に手を出してからが始まり。絶望の難易度には何度も引退しかけたけれども、勝利したときの快感と、他のゲームにはない独特の雰囲気に魅入られ、周囲の協力も相まってか、気づいたらトロコンしてたくらいにはハマった。

その後、時間をかけてリマスター版ダークソウルとダークソウル3をプレイしたあたりで、フロムゲーの、独自の魅力にやられてしまった。

ただ、クリアにはほんっっとうに苦労した。
一人では無理かなあ、と諦めたところもある(何度繰り返しても勝てず、NPCを利用したり、マルチ助っ人を呼んだりした)。中には完全に味方頼りになってしまう戦闘もあった。そのためちょっと後ろめたく、また一人で頑張りたいという気持ちはあるんだけど、その後なかなか腰も上がらないという具合だ。

 

そんな中でSEKIROの話に戻る。ソウルシリーズとブラッドボーンをひぃひぃ心臓止まりそうになりながらギリギリクリアした私からすると、「歴代最高難易度」とか「ソロ限定(マルチプレイなし)」とか、そういう肩書きはあまりにも重すぎた。

後これは好みの話だけれど、ソウルシリーズやブラッドボーンとは全く違う雰囲気。舞台は戦国時代で、主人公は忍者で、武器は刀……。謂わば歴史物。ソウルやブラボのあのダークファンタジーに惹かれた身としては、SEKIROの雰囲気にそんなに食指は動かなかった。

 

 

そんなこんなで、SEKIROは「自分ではやらない」と決めていた。
だからこそ、普通にプレイ動画・実況動画も見ることにした(自分でやろうと思っている&ストーリー性のあるゲームは実況動画を見るのを避けている)。
特に、SEKIROは発売時から、好きな実況者がニコニコ動画公式で「クリアするまで帰れない」放送が決定していたので、すかさず見た。

 

 

見ていくうちに、まず「雰囲気に食指が動かない」が覆った。そもそもフロムソフトウェアの出すゲームが普通の歴史物なわけがなかった。戦闘云々を一旦置いといても、美しいグラフィックや音楽、独特なNPCたち、なんとも言えないイベントの数々。そういった様々な要素はとても魅力的で、あっという間に惹かれた。しかし最終的に、実況者たちが50時間50分かけてクリアする様を見て、「ああやっぱり、めちゃくちゃ難しいんだな、うんやっぱり無理」と、まだ「自分ではやらない」姿勢は崩れないままだった。

 

それから結構な月日が経って、「自分でやる」きっかけとなったのが、「クリアするまで帰れない」配信の実況者・加藤純一が、個人放送で「死んだら即終了」という縛りでSEKIROをプレイし、見事クリアしたことだった。

 

 

初見のときに50時間50分かけて、何度も同じところで死んではまた死んでを繰り返していた実況者が、一度もコンティニューせずにクリアしたというのは衝撃的だった。そのチャレンジ自体も一度目のチャレンジではなかったが、何度も練習・実践を繰り返し、どんどんプレイが研ぎ澄まされていく課程も見ていた。それが、ついに、一度も死なずにクリアを達成した。彼の名前がツイッターのトレンドにもなったその日は、感動と興奮でなかなか眠れなかった。

 

そこからはもうほぼ勢い。そもそも放送を見ながら「もしこの縛りでクリアしたら私もSEKIRO買おっかな」などと軽く呟いていたので、有言実行。それも、仕事中もしばらくSEKIROのことしか考えられなかったため、放送翌日の帰りに即買った。

 

 

 

 ただ、本当に勢いで買ったので、「ついに手を出すときが来てしまった」という気持ちが強すぎて数日放置してポケモンや他のゲームに勤しむ日々。往生際が悪い……。

そんな中、やっとプレイを開始してからは、夢中で進めて、クリアまで一気に駆け抜けることになる。

 

「歴代最高難易度」。それでいて、「ソロ限定」。
めちゃくちゃ難しいのに、自分の力で突破するしかない。
絶対クリアできない。諦めてしまうに違いない。最も恐れていたそれらは、SEKIROというゲームにおいては、心配無用でした。

 

それが多分このゲームの最もとんでもないところ。肩書きが間違っているとかではなく、尋常じゃない難易度なのは確かなのに、それ以上に、ゲームバランスが尋常じゃなく整えられている。ソロでも、人に頼れなくても、なんとかクリアが可能なんです。私みたいにアクションめちゃくちゃ苦手人間でも。それも、そこまでストレス……というか精神的に傷つくことなく。

 

ソウルシリーズで「本当に勝てるのか…」「もう無理」と死ぬ度に絶望していた私が、SEKIROでは、死ぬ度に「でもさっきよりはいけた」「もう少しで勝てる」と前向きになれるんですよね。自分でもびっくりしながら。でもそれは思い込みじゃなく、本当に、気づいたら勝てている。その快感がたまらず、どんどん進んでしまう。こんなにも自身のプレイスキルの成長が実感できるゲームがあるだろうか。そして大人になった今、こんなにも「諦めないこと」を学べるゲームがあるだろうか。

 

前向きにリトライを繰り返してしまうのは、その戦闘スタイルにも関係があるのかな。ソウルシリーズやブラボでは、主に敵の攻撃を避けるor受け流して反撃する(パリィ)ことが主なんだけど、SEKIROでは刀を使って「弾き」、敵の体幹を削ることができる。そのため、敵の危険な「弾き」ができない攻撃を避ける以外は、逃げ腰ではなく、攻めて攻めて攻めまくること(byカスミ)が大切になる。その戦闘スタイルが、おそらく背中を押してくれるんだと思う。

 

特に、ラスボスと対面したときがこのゲームの真骨頂。今までの自分の成長の集大成の場。何度も何度も挑んで、少しずつ少しずつ攻略できていくのがたまらなく楽しかったです。なにも特別な打開策はない。自分が今まで戦って、努力によって身に付けてきた実力だけで挑む。丸一日かけて戦って撃破したにもかかわらず、「また戦いたい」と思えるのが恐ろしい。このゲーム本当に恐ろしいぞ。

 

後ストーリーもわかりやすい。いや、わかりやすいとまではいえないけどソウルシリーズ・ブラボよりはわかりやすい。一方で、イベントのフラグなどなどは「わかりやすい」とは決して言えないのは相変わらずフロムさんっぽい。しかしそんなところすらちょっと愛しいのでもうとっくに私の脳は重症なのかもしれない。

 

そんなSEKIRO、ほんっとうに面白かったです。レビューを見ると、「アクションゲームが苦手な人にはおすすめできない」「人を選ぶ」という声もあったんだけど、個人的には私のようにアクションゲームが苦手だと自覚している人にこそプレイしてほしいかもしれないなと思った。諦めさえしなければ、アクションゲームが苦手でもクリアできる。自信を持ってほしい。

 


以上簡単に、でもなかなか長くなっちゃった感想でした。
ただ、こんなことを書きながらも、私は「SEKIRO唯一のブラボボス」などと言われている怨嗟の鬼さんをまだ倒していないのでこれから挑みます。はたして、前向きに挑めるだろうか……。

 

 

 

追記


SEKIROトロコンしました!!!

 

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のでちょっと振り返りなど。


トロコンについては、全てのED見るぞ~全てのボスと戦うぞ~という気持ちでやる分には大変じゃなかった。ただスキルポイント集めだけはなかなかの苦行でした……。途中で手に入るお面が罠で、スキルポイント5集めれば攻め力あげれるよ~っていうやつなんですけど、スキルポイントを獲得するための経験値はどんどん大きくなってしまうので……トロコン狙うなら一度とはいえあげなきゃよかった~っという後悔。でも周回を繰り返すことで獲得できる経験値はかなり上昇するので、全ED見た上で周回をさらに繰り返せるのならそこまで苦労はしないのかも。

とにかくトロコンは、ブラボに比べたら全然苦行じゃなかったです!(こんなこと言ってるけどブラボのことは大好き!!)

 

 

SEKIRO 個人的ボスの強さランキングベスト3


初見で苦労したというか、単純に時間がかかった順。


1位 ラスボス(一応伏せ)
⇒休日の昼から夜にかけて戦った。寝る直前に勝てたのはすごくうれしかった。
だんだん第ゼロ段階の彼をノーダメで通るのが当然となり、次に第一段階目も余裕が出てきて、しかし第二段階がどうにもなかなか倒せなくて……三つのED見るために計三回戦いましたけど、いつまでも第二段階が苦手でした。第三段階目は雷返しさえ決められればまあやりやすいので。そういえば霧がらすが雷返しに使えるのトロコンするまで全然気づかず、ノーダメボス全撃破動画を見て知った……。
これに限らず、忍具とスキル技、もっと使いこなせればよかったのかな~と思います。不死斬りは結構使った。忍具は相手によっては爆竹と火吹きは重宝。そしてボス級で最も活躍したのは、何かと傘でした。調べたら色々と便利そうな霧がらす、もっと活用してみたかったな。


2位 破戒僧(幻影)
⇒一周目、神ふぶきも爆竹も種鳴らしも使わなかったら、めっっちゃ苦労した。後に出会う本体の方が3ゲージあったけど楽だった……。
でも連続攻撃を弾いたり、立ち回ったり、がなんとも楽しいボス。そして後でも書くけどBGMが良い。本人めっちゃ気持ち悪いのに曲はすごく綺麗(破戒僧さんすみません)。


3位 お蝶
⇒最初の鬼門(戦わないルートもあるけど)。戦闘時の回復ソースの少なさ、立ち回りの慣れなさで、とにかく時間がかかった……第二段階の幻影とホワタマ(ホワイトタマ)の絶望感。でも一周目はめちゃくちゃ苦労したのに、二周目ではなんなく倒せるので、本当にSEKIROというゲームのバランスの良さを感じる……。さらに言うなら二周目は最初の負け確イベント戦に普通に勝てるもんな。人の成長……。


番外 怨嗟の鬼
⇒彼はブラボの世界にいくべき。でも彼との関わりというか、ストーリーはかなり好きです。
足元が比較的安全だと早めにわかったのと、泣き虫と傘のおかげでいけたという程度なのでもっと普通に戦っていたら発狂してたかもしれない。他の敵と戦ってると怨嗟に勝てなくなるし、怨嗟に勝った頃には他の敵に勝てなくなっている。そのくらい立ち回りが違いました。
余談だけどSEKIRO、この記事に書いている通り、私がやりはじめるまでにめちゃくちゃ時間がかかったのだけど、同居している人は実は発売日に買ってやっていた。しかし、道中で出会った怨嗟にまったく勝てずにラスボス手前でSEKIROを封印し、今ではショックで記憶を無くしてしまって、「SEKIRO?そんなゲームやったことがないよ」とほざいています。私が怨嗟を倒すのを横でしみじみと見ていた。


初見での苦労という意味では以上ですが、
正直、どの周回でも同じくらい苦労したのは毒だまりのシラハギ。あまりにも環境が悪すぎる。後は同じく環境が悪いよ選手権だと超終盤の七本槍の人はあほすぎるぞこの配置ってなりました。一旦スルーしてから戻って傀儡の術使うのが一番安定する。あ~後は二猿も環境が酷い。いや、あらためて、複数って卑怯だわ。フロムこのやろう……。複数は勘弁しろお願いします。


後は、社の忍者(正長くん)は一周目、壁ハメを使ってまでも負けたというトラウマが。
そして二周目以降は大抵誰と戦っても1,2戦で倒せたんだけど、なぜか梟(通常)に全然勝てなかった。なんなら一周目よりも負け越した。周回でちょっと強くなってるとはいえ、瓢箪も全部そろってるし、自分の強さ上昇率の方が上だとは思ったので不思議です。一周目より二周目の方が勝てなかったシリーズだとお城の居合いマンもそうでした。彼については多分、他の敵と趣向が異なりすぎて、弾きのタイミング自体がわからなくなってしまったんだと思います。それにしても、ジラフもそうだけど、SEKIROの弾きはリズムゲーの節があるなあ。
などなど、そのときによって勝てたり勝てなかったりした敵が様々だったので、人によってもそれぞれ苦労した敵は全然違いそう。つくづく、なんてバランスの良いゲームなんだ……。

 

後フロムゲー、BGMも世界にマッチしていて、独特でいいですよね。
SEKIROのBGMで好きなのは破戒僧戦と過去梟戦と桜竜戦。あとお蝶さんもだんだん好きになってくる……和の中でも、神秘的な音に弱いですね。ただ源の宮の、笛の音と流れる戦闘BGMはもうしばらく聞きたくないです(スキルポイント集めのトラウマ)
頭についつい残っちゃって印象的なのは赤鬼戦。赤鬼以外でも流れるけど、赤鬼に似合いすぎると思う、あの雄叫びBGM。

 

SEKIRO、本当に良いゲームだった。次は、来るとしたらDLCかな〜、エルデンリングも楽しみだな〜、いつからこんなにフロムに取り憑かれてしまったんだろう、アクションゲーム苦手なのに……もう逃れられない……。