日々霜

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ねとらぼ大飲み会について(今更)

みんなご存知・ねとらぼさんの大飲み会という名のライブイベントに行ってきました。
先月の話なので、行ってから大分間が空いたんですけれど、なんかちょっと徒然と書きたい気持ちがあるなと思ったので。レポとかではなく、感想。

togetter.com

見に行ったきっかけとしては主に二点。

①ファン心
私の好きな実況者のたろちんっていう人がねとらぼのライターさんをやっているので。
⇒ラジオについて(たろちんイボーンラジオ(仮)を褒めるおじさんになる - 日々霜)を参照、というかラジオをよければ聞いてください。

②興味・好奇心
文章を書く系の仕事を私自身やっているというのもあり、ねとらぼのように多様な記事を書いている人たちの話が単純に聞いてみたかったので。

 

そして行ってきました。阿佐ヶ谷ロフトA
まさにロフトにふさわしいイベントという感じ。何度か行ったことはあったので座席の雰囲気などは知っていたんですが、ぎゅうぎゅうの満席状態になったのは初めて見ました。

「これ会社説明会かな?」と思うような、ねとらぼの歴史や、常駐スタッフの人数などなどねとらぼを知るというところから始まり。
特に、「ねとらぼってまとめサイトなの?」とよく聞かれる~というところから、まとめサイトの定義って何?と世にある様々なサイトを羅列し、ニュース系、読み物系カテゴライズしていきながら、さらに光属性と闇属性にわけていくのはじんわり笑えました。世の人々の頭の奥底のイメージ上だけの話であっても、なんとなくヒールキャラとかって一致するもんだな…

 

どの項目でもねとらぼの中の人たちが作ってきたスライドを利用して話がすすんでいくんだけれど、それがなんかまたねとらぼっぽくて良いんですね。トーク力があれど、あくまでもトークライブではない。スライドはそれこそ記事のようなもので、見栄えを整えたブツを大勢の人にわかりやすく披露することこそがこのメディアの本質なのだなーと勝手に考えていました。

 

ということで、当日ツイッターにめちゃくちゃ呟いた内容と重複するんですけど、印象に残ったお話を三つほど軽めに内容のまとめ+私の感想です。
内容については、上記のTogetterのまとめやら、後noteでももっとちゃんとまとめていた方もいらっしゃったので…そっちの方が私の感想もなくてわかりやすいと思います(投げやり)

 

猫とメディアの話

メディアは猫を扱えば、バズる。
猫は比較的簡単に書けて、簡単に伸びる題材。
うん。猫って超便利。でもそんな便利な猫に頼ってしまってはネットには猫がまみれてしまうから考えましょうという話です。

じゃあ猫を扱うのは駄目なの?と繋がるのかというと、そうではありません。
ねとらぼは、猫を全面的に避けるのではなく、簡単に取り上げない。きちんとした形で猫を取り上げていこう!そして、猫に頼らないカッコイイメディアがあるけど、それも褒めようね~! っていうまとめでした。


猫ってね~~そりゃかわいいんですよ。
私自身、溢れる猫たちに、「また猫かよ」と嫌悪感を抱いたことはないけれど、猫だしときゃいいでしょ?と言われてる感じがして嫌になったことは正直あるんです。猫に罪はありません。扱う側の問題。
ちょっと話逸れるかもしれないけど、最近って、検索サイトでAという情報を調べようとすると「Aとはどんなものなのでしょうか?調べてみました!○○でした!さらに詳しく調べてみましたが、それ以上の情報はないようです…」みたいなハリボテ記事とかってものすんごい出てくるんですよね。そういうのって完全にPV数稼ぎのために作られているのだろうから仕方ないのかなと思うんですけど、単純に「楽」をした記事を作るメディアだなって感じてしまう。
流石に名があって確立しているメディアにはそういうつまんない記事は作ってない(と思う)んですけど、猫の素材のみに頼りきるのもそれに近いものがあるのかなと。
せっかく人が作る読み物なんだから、人にちゃんと読ませてほしい。素材置き去りじゃなく、しっかりと素材を輝かせてほしいんだよなと。
そんなことを自分自身考えた過去があったので、凄く身に染み入るお話でした。

 

くろきんという男

黒木 貴啓 - ITmedia 著者別インデックス

 

ねとらぼ編集部の爆弾男・くろきん。
一つのお話というよりは、くろきんという男そのものが印象に残ったなって話です。

彼をあらわすエピソードとしては、寝坊の言い訳で「すみません!目覚ましのタイマー5時間で設定したと思ってたら50時間でした!」とか言ってくるらしいです。そんな感じの人。

でも根は物凄い真面目、いや真面目を突き抜けてクレイジっちゃってる感じ。
そんなくろきん氏、とある一つのことが気になって仕方なくなり、記事作成のために卒論レベルに調べ上げてしまったあげく、結局ボツになってしまったという過去が。

その題材とは鬼の乳首
詳細は伏せますというか、あのイベント内であの熱量であのくろきんが語ってくれないと駄目な気がするので、私はこの場では鬼の乳首については名称として触れることしかできません。ご理解をお願いいたします。

代わりに、彼がどの程度熱をあげたのかについて。ほんのちょっとの資料から鬼の乳首に興味が沸いた結果、歴史を全て洗うべく毎週のように図書館に足を運ぶ日々。
国会図書館に鬼の乳首調べに行ってくるわ」というパワーワード
当時付き合っていた彼女に「もう鬼の乳首はいいんじゃない…?」と心配されるレベル。約一ヶ月鬼の乳首に囚われたのだという。

何言ってんだこいつ、と250回くらいは聞いてて思ったけれど、その情熱と愛、ものすごい響きました。聞けてよかったです本当に。

先ほど、鬼の乳首について私がこれ以上語るのは野暮であると書いたことからもわかるように、私自身、鬼の乳首という題材を大事に取り扱うようになってしまいました。鬼の乳首に囚われたくろきんの話を聞いたことで私自身がオニチクに囚われたことを示しているでしょう。鬼の乳首を物凄い当たり前の言葉のように扱いすぎて、最終的に彼が呼んでいたようにオニチクとか略しちゃうくらいには毒されてる。勘弁してくれほんとに。

囚われた直後の私のツイート↓

 

とりあえず紹介されていたこの本↓はそのうち読もうと思います。

 

余談ですが、関連でこんなのもでてきた。

 

できる男の概念が私の中で崩れてきたんだけど、できる男って結局のところなんなの?

 

タイトル論の話

たろちん - ITmedia 著者別インデックス

我らがたろちんが主導でお話してくれた、タイトル論。
タイトルは記事を読んでもらうきっかけとして、非常に重要となるもの。
そんなタイトルを考える際にどういった点に気をつけているかなどについてのお話でした。

タイトルに使われがちな言葉・法則や気をつけるべき点に関しては、ねとらぼ社内で意見が割れているところもあったのですが、幾つか「あるある」「なるほど~」と思ったものを。

 

・「~で話題に」「~すぎる」「爆誕」などの表現

人を惹くワードとして便利すぎる言葉は、どの程度使っていくかは議論が必要。こればっかりになってはいけない。爆誕に関しては簡単に使わないよう、社内に爆誕評議委員会」がある。
たろちん「ルギアクラスじゃないと爆誕は使ってはいけない」

 

・「→」

「○○→××→△△」と、タイトルで状況を説明するという手法。
やったのはねとらぼが初のような気がする、と。ちなみにこれは「○○した結果www」というスレタイによくあるパターンを、もう少し変えられないかと検討したものらしい。

 

パワーワードの足し算、ネット民としてのツッコミ視点

強いものと強いものを掛け合わせると強いよね。また、ねとらぼはツッコミのメディアなので、ツッコミで人を惹かせるよう仕向けたい。最近は野生のタイトル職人もいっぱいいるから~という話がありましたが、ツイッターでバズるツイートってのも、まさにパワーワードや、視点の話がかなり絡んでいるんじゃないかなと感じますね。短い文章でどうよくまとめるか?というのが最近のネット全体の課題なような気がする。


では結局のところ良いタイトルとは一体どういうものなのか?と考えたとき、例えば、漢字が多いと読みづらく、タイトルで読むのをやめる人もいる。良いタイトルっていうのは見た目でわかるのではないかと。
ということで、「タイトルは読むものではなく見るもの」なのではないかと結論が出ました。


そんなタイトル論。たろちんはラジオなんかでもタイトルについてのこだわりを語っていたことがあったと思うのですが、こうやってあらためてまとまった内容として聞くことができて非常に嬉しかったしためになりました。たろちんってライター以前から、実況動画やブログにおいてもタイトル(や主コメ)が特徴的だな~と感じます。また、タイトルへのこだわりが、タイトル外の文章におけるリズムや表現にも繋がっているようにも感じます。読みやすく、次の文章に目を移らせるためのジャンプ台となるもの。全てはタイトルに帰結するのかもしれない。

 

ちなみにたろちんが過去につけたタイトルの代表作がこちら↓

nlab.itmedia.co.jp

たろちん曰く、「甲殻類(と猫)は強い」とのこと。
いやでもとりあえず、これほんと良いタイトルだなと思う。

 

まとめ(てないけど)

そんな感じで、非常に楽しかったこのイベント。
ここでイベントタイトルに戻ってくるんですけれど、ねとらぼ「大飲み会」っていうの、大正解な気がしました。
仕事の話を飲み会に持ち込みたくないっていう人がいますけど、つまり飲み会の席でくらい楽しい話しようよってことなんだと思います。それは前提として、仕事の話=楽しくならない・後ろ向きっていう思考があるのかなと。
でも、今回もねとらぼの皆様から様々なプレゼンを披露してもらったら、内容は真面目でためになるけれどしっかり面白く構成されていて、こんなレベルの話ができるのならば、それを「仕事」の話だ、嫌だ!と突っぱねるのは勿体ないなと感じた。そういう部分も含めて、「考え方」次第で思考がどれだけ柔軟になるのかっていうことが伺える。
特にねとらぼさんは、イベント内で話にもなっていたんだけど雑談のネタから仕事が生まれることが大いにあると思うし、なんなら「仕事」に絶対に繋がらない話なんて世の中にないんじゃねえのかなとも。というか、そのくらい広い視野とアンテナを持つことが、人に物を読ませるライター、いやさらに一歩下がって、「自分も楽しみ、人を楽しませることができる人」であるために大切なのかなと。

それこそ、鬼の乳首について卒論レベルに考えて書ける人がいることって、「おい、世の中すっげー楽しいな!」と思えるので、個人的にはかなり熱くなってしまいました。くだらない、役に立たない、という考えのみで切り捨てる人がいるのならそれでいいのかもしれない、でも、めっちゃ楽しくない?もう、それでよくない?
※繰り返しますが、結果記事にはならずボツだったんですけども…

だからこそ、私は飲み会でもこういう話に浸りたいし、飲み会でこういう話できるのってすごい幸せだろうなと思ったので、「大飲み会」というタイトルは日常における希望としてもウルトラ大正解だなと思ったのでした。もちろんライブに登壇するというお仕事としてもちゃんと見ていたんですけど、それでも。いやー、是非ともまた開催していただきたい。

 

 

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