詩と詞と
昨日谷川俊太郎を読んでいて、詩ってなに?って思った。
ただこの何? ってのは、構造や分類の話、だと野暮なような気がする。
どういったものを詩とするのか細かく教えてくれよというわけではなく、純粋に、何者なの? と思ったのである。
わけるのは野暮だと思いつつも、とりあえず私の思う詩ってものを説明してみる。
一言で言うと、柔らかい泡みたいなものではないかと思う。
誰かに何かを伝えるときに、人は普通言葉や動きを使ったりするけれど、そういうのって伝えよう、と思ったことを相手に伝えるために言葉や動きにするという作業過程がある。対して詩は、思考そのまんまをできるだけ新鮮に持ち出した、曖昧で固まらない半生なものなんじゃないかと。人に何かを伝えようというよりは、思考をあらわすという感じ。相手にとって読み取りづらい形となってあらわれる。
詩、詩、なんて考えていると、え、歌詞って何故に歌詩じゃない?と 思うことがある。
詩ってうたと読むし。どうしてこっちじゃないのか。
ということで詩と詞ってなに? にシフトチェンジ。
字の構造から考えてみた。言を司ると書いて、「詞」。ことば、とも読む。
となると、「詩」は司られない言葉のことを意味するのではないか。
「詩」という字は、言と寺でできている。「詞」に比べると一気にハテナマーク、ではあるけど、閃いた。
寺の言葉、つまり、仏教の真言とかからきてるんじゃないかと。
経典とかって、伝わる人にはすんごく伝わるって人生を変えたりする。しかし伝わらない人には伝わらない。そういう宗教の特徴は、よく考えると詩に似てる。そういう意味合いで、「詩」は言に寺であり、「詩」ってやっぱり半生な、伝える手段なんじゃない?
とか勝手に考えはじめて、ちょろっと検索してみたら、冒頭で登場した谷川俊太郎先生が、『詩ってなんだろう』という超そのまんまな本を出しておりました。
俄然興味が沸いた。