日々霜

本とかゲームとか雑記とか小説とか。好き勝手。

誰かを応援するということ

やたらいろんな好きなものがあるけど、とりあえず人生の半分以上はお笑い鑑賞を趣味としている。

小学生くらいから夜更かしばかりして、オンバトやら笑いの金メダルやら新すぃ日本語やらの地上波のお笑い、そして運命なのか偶然なのか、スカパーのアンテナ設営が何故か当選して、親に頼み込んで入らせてもらったヨシモトファンダンゴTV。放送終了するまで、テレビの前にかじりつき、ひたすらお笑いを毎日、ご飯の時間以外は大体テレビの前にいた。

 


当然ながら好きなお笑い芸人さんもいっぱいいるし、その時期によって自分の中でのブームの人がいては、はしゃいで、次にまた好きな芸人さんができて、を繰り返している。過去にブームだった芸人さんも、大抵は嫌いになることはなく好きなままで、定期的にまたブームが訪れる……みたいなパターンが多い。お笑い芸人さん、いっぱいいるし、何より面白いことは何にも変えられないし、日常生活で笑えるって素晴らしい。そりゃハマりっぱなしになるよな、と思う。

 


そんなお笑い芸人さんの中でも、私の中で特別な二人がいた。彼此15、6年ほど、ずっと特別な二人である。

誰かは伏せる。伏せるけど、私のことを知っている人にはバレバレなのだけど、今回主旨にはそんなに関係ないし何より恥ずかしいので伏せる。

 


主旨を簡単に言うと、その特別な二人と、先週zoomでリモート飲み会する機会があったという話です。とんでもなくない?現世。この世。おかしいよねこの世!?

芸人さんってアイドルとか他の芸能人と比べると、距離が近くなりがちではある。ツアーとかもあるしね。とはいえ、私自身あんまりそこまでの接触はしてこなかった。と言いつつなぜか一人とは、一緒にフットサルはやったことあるんですけど。ハイタッチとかもしたんですけど。いやでも、飲みながら話すってもう、もう、また違う。違うよ。

 


というのも、今のご時世ではライブをしたくてもできない。舞台を封じられた芸人さんたちにお金を落とすイベントとして、企画されたものでした。

HP開くと芸人さんの顔写真があり、隣に金額が載ってるという状況自体がちょっと面白い。

ただ、私自身そこまで接触欲があるわけではなくて。とはいえ、無いわけでもなくて。何より、こんな機会二度とないと思ったのが決め手で、気づいたら購入ボタンを押していた。元々「やりたいことは全部やる」性格だったのもあり。えいや、と。

ただ参加することが正式に決まってからは、妻の出産を待つ夫ばりにもう、ずっっっとソワソワ。これイベント前に私爆散して死ぬんじゃないか? などと思いつつ。

でも人間わりと丈夫で、二人とのzoom飲みが終わった今も、幸いなことに生きている。

 


悩みに悩んで参加した結果を言うと、参加して本当に良かった。

芸人さんたちがこの自粛期間中どんな風に悩んで、暮らしているかが知れて、みんな、同じ人間だった。思ったのは、みんながみんな、それぞれ混乱しつつも日常を営んでるということ。未知のウイルスに怯え、非日常が日常になっている今って、いつも遠い人たちであっても、人間である以上全人類がちょっとだけ、普段より身近な感覚になれるのだなと思った。だからなのか、多分、内心焦りまくってはいたけどいざ飲み会が始まったらちょっとリラックスできた。幸運なことに、今の世の中においては同じ人間というだけで、身近だったのです。

あと他のファンの方の熱い話も聞けたのもよかったし、自分も芸人さんに応援していることを伝えられたのが、なんだかしみじみ考えると本当によかったと思う。強く感じたのは、応援している人に、こんなに直接「応援しています」と伝えられること、なかなかないなということ。特に私みたいなもんが。

私みたいなもんは、距離が近いツール代表であるツイッターでも、応援している人にリプライをすることも少ない(感情的になった時だけ送ってしまう)。いっぱいリプライしてる人、常に応援してる人のことを呟いてる人、ツアーや出待ちなどで毎回接触をしていく人、は本当に貫いててすごいし、否定する気などさらさらないんだけど、これはもう自分自身の性質の問題で、多分そういうのを手放しでできないカルマを背負っている。

でも、そんな私でもちょっとこういう機会を使わせていただいて、応援していることを伝えられたことは本当によかったなと、しっかり思うのでした。結果的に、応援している気持ちを伝えるのを手助けしてくれるイベントになったと、思ってしまった。応援してますって、言われたらどんな気持ちなんだろうと思うんだけど、多分悪い気分になることではないだろうというのはわかる。

後、なんてったって今のこの世の中である。皆苦しい。芸人さんたちは仕事に直結してしまう。私たちは芸人さんたちを見るためのライブに行けない。そんな皆が窮屈している状況で、本人に、ファンがお金を払えるイベントがあって、それに参加して応援していると伝えられるのは、非常にわかりやすいエールになってくれるんじゃないかな、と自惚れかもしれないけどちょっとだけ思ってしまった。でも、だからこそ、素直に伝えられた。それに、自分自身ももちろん現状に不安があるわけで。そんな今にこそお笑いというものが非常にありがたいことも実感していたし、伝えずにはいられなかった。

ということで、私のように捻くれている何かのファンの人。もしかしたら今は、感情的に、応援している人に、応援していますとめちゃくちゃ伝えやすい状況なのかもしれないのです。

普段はなかなか言えなくても、今なら、お互いにデメリットないんじゃない? と考えやすいはずなのです。

 


と言いつつまた私はさらっと捻くれファンには戻るんだと思う。そして壁から頭だけ出して芸人さんたちをまた覗くのだと思います。でもたまにまた気まぐれで、機会があれば応援していることを伝えてしまうんだろうな。そのくらいが私には合っている。

 


一人の芸人さんと交わした、お互いに「お元気そうで何よりです」という会話が、なんだかめちゃくちゃちょうど良かったなと思う。しばらくはこれをホルモンのように噛みしめながらまた今日を生きようと思います。うん。またどこかで。

 


【余談】

ちなみに今回、あまり書きたくないけど書きます、という文章で始めようとして、こいつ前回もそんなこと言ってやがったなって思って消しました。いつも書きたくないもの書いてんな。

 


基本書きたくない理由は、ちょっと自分をさらけだすのが恥ずかしいから、です。

でも、先日、「しもださんの文章の、さらけだしているところが好きです」と言っていただいたことがあったので、それは嬉しかった。

防御なし、攻撃のみのノーガードコミュニケーション、ノーガード創作を今後もできるだけ、自由気ままに、自己満足でやっていきたい。文章下手だし、整えるのはもっと下手だけれど。