日々霜

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BUMP OF CHICKEN TOUR 2019 aurora arc 2019.09.22

BUMP OF CHICKENのライブチケットが当たった(当たると思わなかった)ので、ナゴヤドームに行ってきた。11年ぶりにBUMPを生で見た。そんな感想ブログです。
時系列ではなく、一応項目にわけて書いていますが、時系列に戻ることもあります。

以下、セトリなどなどネタバレ有り


BUMP OF CHICKEN TOUR 2019 aurora arc
2019.09.22 in ナゴヤドーム

 

物販と会場、PIXMOBという魔法の道具


名古屋到着後、すぐに向かったのは物販。
アーティストのライブにおいて、グッズが魅力的であるというの、なんというか良いと思う。当たり前のことを言うけれど。グッズを買うのって、そのツアーの記録を形に残すという役割もあると思いますが、グッズが魅力的だと、より宝物にしなくてはと思える。
追加したばかりのニコルTやその他もろもろを購入できて嬉しかった。

 

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そして、色んな所で言われていますけど、物販列が本気。スムーズに、すぐに、買えました。11年前にグッズ列に並んだときのことはうろ覚えではあるけど、たしかワンセグとか見ながらゆーーっくりじっくり並んでいたから、それを思うと20分もかからず買えたのすごすぎるなって思いました。

その後は、お腹が減っていたため、ナゴヤドーム近くの台湾混ぜそばを食べに。
そしたら、店内でめちゃくちゃBUMPが流れているし、「ライブに行く人はビールかウーロン茶がサービス」だというし、ええ~~めちゃくちゃいい~~そしておいしい~~辛いおいしい~~ともう即名古屋に墜ちた。

 

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余談だけど、このライブの日、そしてライブの次の日に名古屋を観光したんだけど、マジで何処に行ってもBUMPファンにまみれていた。特に、実際にBUMPのメンバーが訪れて観光した名古屋城では、ファンたちがメンバーと同じ場所で同じポーズを取って撮影するという聖地巡礼も行われていた(自分たちもやった)。異世界転生でBUMPを知っている人しかいない世界線に来た感じがすごかった。


ホテルに荷物を置いて休んだ後はいよいよ会場へ。
ナゴヤドーム、シンプルに、でっけ~~という感じでした。
しかも今回、最上階5階の、最後列の席だったんですよね。ある意味レアで面白かったです。もちろんステージからは遠いんだけど、会場全体が見渡せる。野球観戦も特にしたことないので、本当に初のドームの、初の最後列でした。

会場が見渡せたことによるメリットは、これです。

 

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近年、様々なライブで活躍しているらしいPIXMOB
赤外線信号を受信して、様々な色に光る腕輪(アナログな説明)。
これが、その曲、その節、その瞬間に様々な色でライブを彩るんですが、会場全体が見渡せる席だと、グラデーションの流れとか、同じ色で染まる瞬間とか、そういうのがすごくわかりやすくって、涙腺にきました。人は光る綺麗なものを見ると泣くものなんだな、多分。

 

見た目が変わらない男たち


いよいよ始まるライブ。バックステージで円陣を組むメンバー4人の姿が大きくスクリーンに映し出される。流れるaurora arc。あ、始まる。誰もが思っただろう。
そして、BUMPが登場すると同時に、驚いた。


生で観るのが11年ぶりなだけで、それまでも画像やメディアでは見てきたけど、それともまた異なる感覚。あー、この人たち、何にも見た目が変わっていない。
そんな驚きのまま始まるライブ。そして変わらない藤くん(言わずもがなBUMPのボーカル)の歌声。変わったものがあるとすれば、歳を重ねた私か、と思ってしまいそうになるんだけど、それをも否定する。私も言うほど変わっていない。そして逆に、BUMPはBUMPで変わっているんだよな、というのも忘れてはいけない感覚。変わらないし変わっているBUMPと、変わっているようで変わっていない私、という不変的なのに可変的な二つがどちらも揃うライブがそこにあった。


生の男たちを目の前に、ついつい思い出を振り返る、じゃないけれど、私が升秀夫(前略BUMPのドラマー)という男にめちゃくちゃ弱いということを思いっきり思い出してしまった。
中学生の頃だったか、それまで音・曲のみで音楽を把握していた私が、バンドで初めて全員のフルネームを覚えたのがBUMPだったんだけど、そのとき、音や曲ではなくアーティストとして、中の人間として、初めて「好き(推し)」になった音楽の人っていうのが、升秀夫だったんだった。そうだった。

ということでこの日の升秀夫もめちゃくちゃに輝いていた。ドラムを叩いていても、にこっと笑顔でスティックを持ち上げても、とりあえず無言で立ち上がっても、何やってても格好良いし可愛かった。途中、MCのときチャマ(前略BUMPのベース)がゴローニャを画像検索してナゴヤドームの5万人の前に「秀ちゃんに似てるよね」と見せるくだりがあったんだけど、たしかに言われてみるとゴローニャだった。ちなみに着ているTシャツもゴローニャだった。たまらない。

そんなチャマこと直井さんは、ライブ中ずっと元気で、はねまくって、MCで盛り上げて、グッズの宣伝もして、と、もう、知ってはいるけど、とにかくラフメイカーでありムードメイカー。サービス精神を固めてこねくりまわしても、決してこうはなれないよ……という天使のような所業をこなしていた。そんなチャマ、見ているだけでこっちの笑顔が止まらなかった。
そしてヒロ(前略BUMPのギター)は、変わらないBUMPの中でも圧倒的な変わらなさを誇っていてすごかった。MCの微妙な感じも、あ~~~学生時代のポンツカ聞いてた頃のヒロ像と変わんねえ~~……とひどく安堵した。いくつになってもインマイニッケだった。

 

順番と選曲と演出、近年のBUMPについて


以下、セットリスト。


aurora arc
Aurora
虹を待つ人
天体観測
シリウス
車輪の唄
Butterfly
記念撮影
話がしたいよ
<後方ステージへ移動>
真っ赤な空を見ただろうか
リボン
aurora arc<ステージ移動の戻り>
望遠のマーチ
GO
Spica
ray
新世界
supernova
流れ星の正体
<アンコール>
同じドアをくぐれたら
ガラスのブルース
<アンコール2>
バイバイサンキュー


ライブが終わった後、セトリで即座にプレイリストを作った(最近覚えたこのプレイリスト、ライブよく行く勢には当たり前なのかもしれないけど、めっちゃ楽しい)。
全体を通すと、近年の代表曲が多めというイメージ。多分「Butterfly」「Ray」「GO」のあたりが私の中で「最近のBUMP!」だからかもしれない。それがまたくすぐられちゃった。思い出のBUMPではなく、新たなBUMPに出会った感じがあったからだと思う。
後、『orbital period』の「星の鳥」⇒「メーデー」のような流れで、「aurora arc」⇒「Aurora」をやられるとまあ当たり前だけどブチあがった。わかっているのに。わかっていても。インスト⇒はいこの曲!っていうのが決まっているの、ずるいよな……良いずるさ。
新アルバムだと、私は「月虹」が好きで聴きたかったんですけど、どうやら前日(21日)のセトリを見る限り、隔日でシリウスor月虹だったみたいで、それはそれで悩ましいな……と思った。新アルバムの曲の他、定番や、これやるの…?というものまで、ノンストップな感じでした。


何曲か、個別に一言述べたい。


「車輪の唄」
「真っ赤な空を見ただろうか」

⇒こちら両方、セットで、恍惚に恍惚を重ねて「最高…」となった。
この二曲、セットで好きな人結構いるんじゃなかろうか。私はそうだ。曲調は明るいんだけれど明るすぎなくて、歌詞についてはちょっと切ない部分もある。人間っていつも極端なわけじゃなくって、でもふとしたときに人生の中にその人にしかないドラマに気づいたりする、そんな曲たち。BUMPの曲ってそういうところがあるよなと思う。


「Butterfly」
⇒ライブで最も自分の中での評価があがった曲だった(と同行者に話したところ、「まあ俺は前からめちゃくちゃ良い曲だって思ってたけどね」とドヤられた)。「全部嫌いなままで 愛されたがった量産型」の歌詞が響いて響いて仕方なかった。なんだこれ。良い曲だな。後、チャマかな。この曲が始まる前に、「今が楽しい人も、辛い人も、そのままの気持ちで聴いてください」って言ったんだよな。は~~?最高。


「話がしたいよ」
⇒生で聴いたら泣くよな~と思ってたら泣いた。泣いた……。
余談だけど、この曲が始まる直前、藤くんが「もうこの曲か、はええ」と呟いた。歌い出しの1秒前くらいに。な、なんだそれ~~となりながら泣いた。


「新世界」
⇒バックに流れるのはお馴染みのアニメ映像……知ってたけど、知ってるけど……たまらなくてたまらなかった。会場全体での手拍子が楽しい。音もかわいい。ベイビーアイラブユーだぜ。初めて聞いたとき、「そんなこと言う(書く)んだ……」と衝撃が走った歌詞だけど、藤くんがなんかのインタビューで「そんなに特別な意識はせず、いつもと同じ。思ったので書いただけ」とか言っていたのが納得した。ベイビーアイラブユーだぜはベイビーアイラブユーだぜでしかなかった。


そしてアンコールの流れについて、述べさせてほしい。

 

定番と、定番じゃないの衝撃


アーティストには、それぞれ「ライブで定番の流れ」というのが少なからず、ある。
最後の曲「流れ星の正体」が終わって暗転後、アンコールを熱望する会場に自然と響き渡るのは、supernovaの大合唱だった。
後で調べたら、BUMPではいつからかお決まりになったらしいこの流れ。
私は鳥肌が止まらなかった。なんせ、繰り返すけども、私が11年前にBUMPを初めて生で観たのは、supernovaが収録された『orbital period』のライブツアーだったから。あの曲から、これが生まれたのかーという感動があった。そして私も自然と口を開いて、歌った。熱望した。一度はけて、アンコール。定番な流れだが、本当に、熱望していた。
ライブ参戦にそこまで積極的でないまま長い年月を経た私は、そういうの(アンコールの定番)あんまり知らなくてごめんなと思いつつも、でもいいか、などと自己完結。
先日行ったアジカンライブで、初めてのアジカンで緊張してたら「皆型にハマらないで、好きにしていいよ」と言われたのも大きな糧になっていた。

完全に余談ですが、アジカン初参戦についてはこちら

ongakubun.com


とかなんとか考えていたら、その後再登場したBUMPが、『同じドアをくぐれたら』をやりやがった。
やりやがったってなんだよ、と思いつつも、や、やりやがったー!っていう感じだったし、それが会場全体から伝わってきたのだ。同曲のライブ演奏は、どうやら約15年ぶりだったらしい。「定番の流れ」について考えていたら、それをぶっとばしてきやがったのである。約15年ぶりって。2004年ぶりって。2004年って。ああ、私その頃は●歳だったなあ、めちゃくちゃ学生じゃん…などと巡らせてしまった。

その後は、今度は「定番の流れ」としてガラスのブルース。こちらも、一部を観客で歌うというのも暗黙の了解だったらしい(これも後で調べた)。
ただ、ここでは藤くんが歌詞を変えていた。

 

大胆な歌詞変えと藤原基央の言葉たち


BUMPは、ライブで歌詞をよく変えて歌う。いつからやってるのかよく知らないけど、今回のライブでもそれは多く発揮された。
先ほど記した「ガラスのブルース」の話に戻る。
藤くんは歌詞を変えて、「僕の歌は忘れていいよ」「でもひとつだけ忘れないで 君が挙げたその手を」と言った。私たちはそのときまさに腕を上げていて、な、なんてことを言うのか……と意識朦朧としてた。さらに言うのなら、「話がしたいよ」ではね、「忘れられないよ」と歌詞変えしてんですよね。そんな色々言われたら、前頭葉が絡まってしまうよ。でもしっくり来てしまう。


後、個人的歌詞変え胸熱死グランプリは「真っ赤な空を見ただろうか」だった。「そんな心 馬鹿正直に話す君に会いに来た」と指さしながら歌うジャブをうたれて、続けて「僕らがひとつだったなら 今日の日は来なかっただろう」でクロスカウンター決められて、「大切な人に伝えたい 聴こえているのかもわからない」の流れで「聴こえてるか、名古屋!」と叫ばれたあたりではもう三途の川の手前くらいにはいたのであまり覚えていません。真っ赤な空は、本当に、ず、ずるいな〜〜!!ポイントありすぎ。

 

ちなみにひねくれた人間なので、ぶっちゃけこういう歌詞変えってあんまりやられても……冷めない? と客観的には思っていたんだけど、BUMPだったので冷めなかった。はー。よかった。

 

そして、最後に藤原基央の言葉の話をします。


その日の藤原基央は、「話がしたいよ」のときの「もうこの曲か、はええ」もそうだったけど、「GO」のときも「今日がずっと続けばいいのに」と言ったり、とにかく一曲一曲惜しむように歌っているように見えた。「ガラスのブルース」が終わり、メンバーがみんなはけた後。息継ぎもろくにせずに、長く、語りかけてきた。

 

「君が辛くてどうしようもないとき、俺はいつも君の傍にいるよ、と言いたくてもそれは事実じゃないから言えないんだ。でも、俺の作った曲は、間違いなく君の傍にいる。それは事実だ」

 

会場が静まりかえっていた。ライブ終わりにツイッターのトレンドにもなっていたし、長文でまとめてくれてる人もいるのでここでは簡潔にまとめるんだけど、これに関連して、ライブの序盤に藤くんは、「たくさんある音楽の中から俺たちを見つけてくれてありがとう、だから、今度は俺たちが君を見つけにきたんだぜ!」と言っていたんだけど、それがまさかのラストのMCにつながる伏線だったんだとは思わなかったな……。

生きていると色んな音楽がつきまとうことがある。その日の物事を思い返すときに音楽ごと思い返す。何年たっても忘れることはなく、日々に、人生にすり込まれるような音楽が多くある。音楽はいつも近くにいるものだとは、元々思ってるしわかっていた。でもあらためて、そんな音楽を作る人に、ずっと傍にいると言われると、しみじみ、しとしと、泣いてしまった。

そうして語りかけた後、なんと「もう一曲やっちゃおうかな」と言ってアンコール3曲目が始まったので会場唖然。「電車がやばかったら帰ってね、俺らそんなことで怒らねえから」と言いながら始まり、メンバーも完全に油断してた様子で、慌てて登場。チャマにいたっては上半身裸で演奏(!)。でも、無茶振りから曲に入るまでの他の3人はすごく早くて、それもまた泣いてしまった。

 

BUMPナゴヤドーム二日目、とんでもないものを見た。最後のアンコール3曲目、「バイバイサンキュー」の歌詞に全てを尽くして、終わる。

「僕の場所はここなんだ 遠くに行ったって 僕の場所は変わんない」

 

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